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MSC ベリッシマを航海するエンターテイメント:リードシンガー、ナタリア・サウロ独占インタビュー

13年以上のキャリアを持つプロダクションシンガー、ナタリア・サウロが洋上エンターテインメントの舞台裏を語る。MSC ベリッシマのリードシンガーとして活躍した彼女は、ブロードウェイでの経験と多言語での歌唱スキルを持つ実力派だ。

·Jun 13, 2026·via BroadwayWorld
MSC ベリッシマを航海するエンターテイメント:リードシンガー、ナタリア・サウロ独占インタビュー

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世界60カ国以上の仲間と暮らし、毎夜ステージに立つ――MSCベリッシマで活躍したシンガーが語る挑戦と成長の日々

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ナタリア・サウロ (Natalia Saulo):世界を旅する豪華客船の巨大シアターで、毎夜観客を魅了する「プロダクション・シンガー」。この華やかで過酷な洋上エンターテインメントの第一線で、13年以上も活躍し続けている、アルゼンチン出身の実力派。

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2013年から世界中の海を巡ってきた彼女は、ニューヨークで「ブロードウェイ奨学金」を獲得し、その技術を研ぎ澄ました。圧倒的で多彩な音域を武器に、非常に高い汎用性を誇る彼女は、多言語での豊富な歌唱経験も持ち合わせている。つい先日までは、大型客船"* MSCベリッシマ "の6つのショーでリードヴォーカルとして観客を熱狂させていた。

*MSCベリッシマ:全長約315メートル、総トン数約17万トンを誇る大型クルーズ客船。主に地中海や中東、日本を含むアジアなどを中心に運航している。

まずはご自身について教えてください。

私はアルゼンチンで生まれ育ちました。音楽や歌うことへの情熱を見つけたのは5歳の頃です。親戚の中に音楽をしている人が何人かいて、休日になるとみんなで演奏し、ショーのようなことをしていました。だから音楽は生まれた時から私の中にあったものだと思いますし、とても幼い頃から、音楽やパフォーマンスこそ自分の居場所だと感じていました。

人前で歌う機会があれば、どんなチャンスでも挑戦していました。12歳の時には地元の州で開催された大会に出場し、その頃から本格的にボイストレーニングを始めました。その大会では地区優勝することができ、とても嬉しかったですね。

20代になる頃にはクルーズ船で働くことを知りました。ただ当時は、自分がまだ十分に準備できていないと感じていました。非常に高いレベルが求められる世界だったので、もっと経験を積み、トレーニングを受ける必要があると思ったのです。

その後数年間、さまざまな活動を行いました。プロのシンガーとして活動し、多くのプロジェクトに参加しました。ディスコミュージックのバンドで歌ったり、自分自身でショーを制作したりもしました。そのひとつが「Piel de Tango」という作品です。

そうして少しずつ、よりプロフェッショナルな形で音楽やパフォーマンスに取り組むようになり、やがて国際舞台へ挑戦できるだけの成熟した準備が整ったと感じました。そこでクルーズ業界への挑戦を決意したのです。

最初は現在のような劇場キャストではなく、デュオとして活動していました。ギタリストのオーディションを受け、デュオを結成したことが国際的なキャリアの第一歩となりました。

その契約がスペインで終了し、私はさらに新しい挑戦を求めていました。そのままスペインに滞在し、後に元夫となるギタリストと出会いました。私たちは新たなデュオを結成し、一緒に活動を始めました。

スペインでは「オルケスタ」と呼ばれるショーバンド文化があります。そうしたバンドとともに各地を巡演するのですが、年を重ねるごとにより規模の大きなグループへ選ばれるようになりました。ダンサーや豪華な衣装を伴うスタイルは、クルーズ船の劇場ショーにもよく似ています。この経験は、現在の仕事への大きな準備になりました。

その後、自分はメインステージに立つ準備ができていると感じるようになりました。そして数年後、初めてプロダクションキャストのシンガーとして採用される機会を得たのです。

そして約3年前、初めてクルーズ船のシアタープロダクションキャストとしての仕事を獲得しました。それ以来、参加するすべての契約で劇場ショーに出演しており、この仕事に大きなやりがいを感じています。

とても興味深いですね。大型クルーズ船の国際的なプロダクションで働くことは、どのような経験なのでしょうか?

素晴らしい経験です。ただし、まず言えるのは非常に大変だということですね。要求されるレベルも高く、挑戦的ですが、その分とても刺激的でもあります。

海上で大規模なプロダクションに参加することには、陸上の公演とは異なる点がたくさんあります。一方で共通点もあります。

私たちは毎晩2~3回のショーを行います。そのため、7~8か月にわたりそのペースで歌い続けられるよう、十分な休養や発声管理が欠かせません。まるでマラソンのような仕事です。

ショーを成立させるためには、多くのことが必要です。新しいプロジェクトが始まると、まず陸上で約1か月間リハーサルを行います。事前に資料が送られてくるため、全員が内容を覚えた状態で現場に入ります。時間が限られているからです。

スペインの舞台作品では、ひとつのショーに対して2か月程度の稽古期間を設けることもあります。しかし私たちの場合は、6作品をわずか1か月で仕上げなければなりません。そのため非常にハードです。

その後、制作会社のオーナーたちに向けた「オフィスラン」を行います。リハーサルが終わると船へ移動し、今度は約3週間のインストール期間に入ります。

陸上で作り上げたものを実際の劇場空間に落とし込んでいく作業です。ステージ上の立ち位置や動線を細かく確認し、どの曲のどの部分でどこに立つかを決めていきます。大人数が出演するので、非常に綿密な調整が必要です。

船によっては舞台機構やオートメーションもあるため、その操作に合わせた稽古も行います。本当に覚えることがたくさんあります。

その期間には衣装スタッフも乗船し、衣装のサイズ調整を行います。音響チェックもありますし、同時進行でさまざまな作業が進みます。

それぞれの専門スタッフが自分の役割をしっかり果たしてくれるので、最終的には素晴らしいショーを観客へ届けることができるのです。

インストールが終了すると、本格的な上演期間に入ります。インストールチームは下船し、船内にはキャストだけが残ります。

その後もダンスキャプテンなど、ショーのクオリティを維持する担当者がいます。契約終了の日まで、作品を常に最高の状態で保つことが求められます。

そしてすべての準備が整うと、いよいよ楽しい時間の始まりです。ショーを上演するたびに自信が増し、より楽しめるようになります。

契約の終盤になる頃には、目を閉じたままでも踊れるのではないかと思うほど身体に染み込んでいますね。

すごいですね。 MSC ベリッシマでの仕事はいかがでしたか?とても大きな船ですよね。

素晴らしい経験でした。まず、これまでより多くのショーに出演できたことが大きかったですね。

以前乗船していた船では3作品ほどでしたが、ベリッシマでは6作品に出演しました。また、劇場で生バンドと共演したのも今回が初めてでした。それは本当に素晴らしい経験でした。

ショーの構成もこれまでとは異なっていました。以前はシンガーが2人だけでしたが、今回は6人だったため、多くのハーモニーを歌う必要がありました。さまざまな楽曲で異なるハーモニーを学ぶことができ、とても勉強になりました。

リハーサルの進め方やショーの制作過程も非常にプロフェッショナルでした。他社と比べてダンス量も多く、自分自身がパフォーマーとして大きく成長できたと感じています。

会社自体もとても働きやすかったです。本当に大切に扱ってもらえました。クルーの部屋も素晴らしく、初めて窓付きの部屋を与えられました。あれは本当に嬉しかったですね。

また、ベリッシマは私にとって初めてのMSCクルーズの船だったので、その点でも特別でした。乗船初日から皆がとても親切で温かく迎えてくれました。さまざまな部署に友人ができましたし、休日にはラウンジでバンドと一緒に歌っていることもよくありました。

ベリッシマの雰囲気は、これまで働いてきた他の船と違いましたか?

船ごとに環境は異なりますし、契約ごとに経験も変わります。航路や船の大きさによって、船内での生活は大きく変わるのです。一般的に大型船は忙しくなりがちです。乗客数も多く、対応すべき場所も増えますからね。

結局のところ、クルーは家族のような存在です。私たちは働く場所と暮らす場所が同じなので、仕事でストレスを抱えていると、それが周囲のクルーとの関係にも影響します。

それでもベリッシマは大型船でありながら、クルーや乗客との関係が本当に素晴らしかったです。日本のお客様と接するのもとても楽しかったですし、皆さん本当に親切でした。クルーも乗客も含めて、関わったすべての人との経験が素晴らしいものでした。

また、キャストにはさまざまな特典があり、乗客の利用するエリアも使用できます。そのおかげで生活がしやすく、とても充実した契約期間になりました。

クルーズ船で働き、パフォーマンスをする上で最も大切なことは何だと思いますか?

間違いなく規律です。私はよく、「クルーズ船の仕事で最も難しいのは、働く場所と暮らす場所が同じこと」だと言っています。

8か月間、常に仕事の環境の中で生活することになります。たとえ下船して観光に出かけても、船の出港時間が決まっているので、完全に仕事から離れることはできません。

だからこそ、生活リズムを整えることが大切です。睡眠時間や食事の時間を決めて、船の外で暮らしている時のような日常を少しでも再現する必要があります。

また、友人たちも常に同じ船にいるので、バーへ行ったり夜更かししたりする誘惑も多いです。でも、それが毎晩続けば声に影響します。私たちは常にステージに立つ準備をしておかなければなりません。誘惑はたくさんあります。だからこそ、自分自身のために正しい選択をする規律が必要なのです。私たちの場合、それは最高のパフォーマンスを届けるためです。その規律がなければ、この仕事を続けることは難しいと思います。

なるほど。船内を案内してもらったので、その話がよく分かります 。

そうですね(笑)。もうひとつ大切なのは、私たちは仕事のために船にいるということです。規律だけでなく、バランスも必要です。人生を楽しむことも大切ですからね。働く場所で暮らしている以上、仕事以外の時間をどう楽しむかを見つけることも重要です。

今後の目標について教えてください。

最近、新しいクルーズラインのローンチ キャストのリードシンガーに選ばれました。これは私のキャリアにとって非常に大きな節目でした。長年海で働いてきた経験が評価され、新しい会社の立ち上げメンバーとして選ばれたことは、本当に光栄なことでした。

また、現在はタレントエージェンシーの立ち上げにも取り組んでいます。自分の経験を活かして、これから海の世界へ挑戦したいミュージシャンやアーティストをサポートしたいと思っています。今年の初めにこのプロジェクトを始め、現在本格的に準備を進めています。とても楽しみです。

それはめでたいですね!

ありがとうございます。将来的には、自分自身のヘッドライナーショーを作ることも目標のひとつです。長年クルーズ船で働く中で、ショーがどのように作られるのかを学んできました。だからこそ、いつか自分自身のソロショーを実現したいと思っています。

そして、将来的には陸上でもツアー公演を行いたいですね。

次の契約ではどのような航路を担当するのですか?

スペインから出航する予定です。スペイン、フランス、イタリア、そしてアフリカのチュニジアなどを巡ります。さらにブラジルへ向かう大西洋横断クルーズも予定されています。

最後に、読者へ伝えたいことはありますか?

この仕事は本当に素晴らしい旅でした。もちろん多くの魅力がありますが、私が特に伝えたいのは、世界中のさまざまな観客の前で歌えることです。

日本のお客様の前でも歌いましたし、ノルウェージャンクルーズラインで働いていた約8年間はアメリカのお客様の前で歌っていました。そのほかにもスペイン、イタリア、南米など、さまざまな国のお客様の前でパフォーマンスをしてきました。

アーティストとして興味深いのは、それぞれ異なる観客に合わせて自分自身を適応させる力が求められることです。その経験を重ねるうちに、観客の反応を素早く読み取り、どのようなパフォーマンスが喜ばれるのかを理解できるようになりました。実は前回の契約では、日本語で歌う機会もありました。本当に素晴らしい経験でした。

また、クルーズ船で働くことは、人としての成長にもつながります。常に60か国以上の国籍の人々に囲まれて生活するので、自分の世界が大きく広がります。さまざまな文化から学び、世界中に友人ができます。それはプロフェッショナルとしてだけではなく、一人の人間としても非常に貴重な経験です。旅を始めてから、自分の人格も大きく変わったと思います。

これからクルーズ船での仕事を目指す人たちへアドバイスをお願いします。

まず、英語が母語ではない方は、ぜひ英語を学んでください。私自身、最初の契約の時はほとんど英語が話せず、とても苦労しました。

そして先ほどもお話ししたように、楽しむこと、バランスを取ること、そして規律を持つことが大切です。旅行をしているように見えるかもしれませんが、私たちは仕事をしています。だからこそ仕事を最優先にしながら、その環境を楽しんでください。

また、船上での時間を自分のスキルを高める機会として活用してほしいです。世界中から集まったパフォーマーたちと一緒に働くので、誰からでも学ぶことができます。成長し、自分自身に挑戦する絶好の環境です。

もしそれがあなたの夢なら、ぜひ挑戦してください。大変なこともありますし、厳しい世界でもあります。それでも、その価値は十分にあります。努力を続ければ、きっと実現できると私は信じています。

Photo Credit :[Andres Felipe Melo HS Alan Cianfagna]

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_Originally reported by [BroadwayWorld](https://www.broadwayworld.com/japan/article/MSC-20260612)._

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This story is summarized from coverage by BroadwayWorld.

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